コンセプト
人間先端のテクノロジー
 中谷造船のテーマは、船の高速化や自動化はむろん、居住設備の改善まで含めた人間最優先の近代化です。中軸の設計部門には、いち早くCADを導入し、経験豊かなスタッフが開発提案型の設計に取り組んでいます。


近代化への一つの解答“翔陽丸”
 “翔陽丸”(1997年1月就航)は、内航船近代化への解答です。同船は、一人の操船を可能としたブリッジのコクピット化や、自動衝突予防援助装置、機関室M0化、モジュール化、食堂とサロン、居室を一体化したコミュニケーション・フロアなど、数々の新機軸を採用し、従来の内航船イメージを大きく転換しました。当社は、なお一層“人間主役の造船”を推進していきます。


高速化を実現する独自の挑戦
 水の抵抗を最小限に抑える理想のフォームは船のスピードを高めるための重要ファクター。優れたフォームはまた、積載能力のアップや燃料の効率化など、多くのメリットをもたらします。当社は長年、大学の研究機関と西日本流体技研との共同水槽試験を実施し、FRP製ミニチュアモデルを使って抵抗値の極小化を図る流体実験に取り組んでいます。この結果、エンジン出力を約30%カットしても、カット前と同等の性能を得ることができる画期的なフォルムの開発に成功し、大きな注目を浴びています。また、船体振動を押さえる船尾フィンの開発、波を起こさない船型の研究を行っております。


夢あふれる船体デザイン
 “思わず乗ってみたくなる。”そんな乗り物としての船には、人をワクワクさせる夢やロマンが大切です。中でも船体デザインは重要なポイント。ともすれば“常識”にとらわれがちな、専門家の視点から脱するため、当社では外部からのデザイナーを積極的に起用しています。彼らの自由な発想から生まれるデザインを設計士が図面化する。ユニークな試みが船へのロマンをいっそう掻き立てています。ここから得た未来の形は、新型船に導入。当社の積極的な提案は、デザインの可能性を拡げるものとして、各方面から大変な御好評を頂いています。


居住環境の改善も中谷の大きなテーマです。
 船舶の居住環境を改善する動きが活発化しています。大量輸送という使命を前に従来は機能一点張りで、居住空間は快適といえるものではありませんでした。しかし、当社は早くからこの間違に着目し、速度などの性能アップ以上に力を注いできました。乗る人が気持ちいい、楽しいと思える環境を創造する。それが本当の“人間主役”だと考えるからです。また、若者にとって魅力のある環境を整えることは、労働力の確保といった将来的観点からも欠かせません。


ホテルと同レベルの空間
 当社がご提案する居住空間はこれまでのイメージを一新。壁や床などの内装は冷たいスチールから柔らかみのある素材へ。色や柄も単調で地味なものからカラフルなものにチェンジ。シティホテルと同等以上の内容、質を基準としています。コミュニケーションの弾む、明るく、楽しい変化がポイントです。室内は、空調はもちろんテレビや電話、洗濯・乾燥機を完備した設備。将来的には、ユニットバスを設備する計画です。具体的な素材選びや間取りはすべて、内装の専門家が担当し、ご要望にお応えしています。
 また、本社隣に船員居住区のモデルルームを展示し、これからの居住環境を考える上での、ご参考とさせて頂いております。お気楽にお越しの上、自由にご相談ください。