次世代エコシップ 電気推進船 〈千祥〉開発 従来、電気推進船は、振動の低減を必要とする調査船や高級クルーズ客船、また砕氷時の負荷変動が大きい砕氷船など、限られた用途の船に搭載されてきました。1990年代に入って電気推進システムに技術的改善が進み、次世代エコシップの“要”として注目されるようになりました。 『思わず乗ってみたくなる船』、『人をわくわくさせる船』。『夢とロマンがある船』の建造をコンセプトとして、賛同した大手電気メーカー、民間の流体研究所、運輸施設整備事業団、広島大学の研究者たちの協力態勢で開発を進めました。 現在、グローバル化の時代であり造船業もその域に入っています。これは国際分業化時代の到来と考えているため、 一般船は中国や東南アジアの技術協力などタイアップをして、安くて良いものを造る。 近代船は中国や東南アジアではできないため日本で造ることです。 将来的には、2つの道と考えています。 |
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開発の流れ 1 研究の背景 ヨーロッパでポッド型推進装置の開発で、総合効果8〜15%向上との報告があり、弊社の小型模型使用ベンチテストによりその可能性を確認した。 2 今回の研究概要
3 模型による水槽試験を実施 船尾船型:バトックフロー船型の採用 船体周りの水の流れが剥離すると、船の幅方向全体に剥離がおこるので、パトック傾斜の限界を調査する。 保針性能の点からセンタースケグが必要で、その大きさと伴流への影響を調査する。 スケグと伴流利得の開発、プロペラに入る流れの改善。 4 期待される効果 船体形状が単純化され建造コストが削減される。(10%低減を目標) 推進効率の改善20%(燃料消費量の低減: 254KL/年 燃料単価3万円/KLとして 762万円/年) 船尾の肥大化が可能(肥大化しても水流が単純で推進可能。船体振体振動に対して有利である) 船首を痩せさせることができ、小型肥大船では造波抵抗の低減が期待できる。 堅軸(L型)推進器の装着が可能である。 CO2(20%)、NOx(40%)の低減を目標 船の基本安全系の確保(2機、2軸、2枚舵、バウスラスター採用) 電気推進方式の採用で船内エネルギーの多様化(相互補完を行う) ストップフリーメンテナンス(停泊無しで機関の保守可能) 一機運転が可能(一方の推進系統の故障でも9ノットの速力碓保) |