みやじま丸の全貌を公開


主要目
全長 35.02m
垂線間長 30.00m
幅(型) 12.00m
深さ(型) 3.60m
満載喫水(型) 2.54m
総トン数 254トン
載貨重量 86.70t
最大搭載人員
(車両搭載時)
503名
最大搭載人員
(車両未搭載時)
803名


主発電機 320kW×1800min-1×3台
同上電動機 353kW×1800min-1×3台
POD型推進機 2基
同上電動機 400kw×2台



みやじま丸の推進原理


 本船は320kWの発電機を3台搭載。200人の乗船で、9ノットを通常航海と考えています。その状態では発電機2台の運転で航行可能であり、1台は完全な予備となります。
 また、宮島1周などの、速力が必要な場合は発電機3台を、同時運転します。3台の発電機が配電盤を介して、船内電源と推進機に電力を供給し、推進機モーターはインバーターによって回転制御しているため、小さな起動電力でも推進機を回すことが可能です。


騒音比較表(A特性)
既存船 みやじま丸
L×B×D(m) 38.64×11.20×3.80 30.00×12.00×3.60
機関室 101db 108 / 108db
上甲板上客室 78db 70 / 75db
遊歩甲板客室 74 / 76db 61 / 62db
操舵室 66db 60 / 56db

 この比較するカーフェリーはL、B、Dがそれぞれ38.64m、11.20m、3.80mとなっています。機関室内の騒音は既存船のほうが小さくなっています。これは機関室での計測場所の差だと考えています。上甲板上の騒音結果は、それほど顕著な差は見られませんでした。しかし、遊歩甲板の旅客室では、今回のみやじま丸の騒音は85%程度となり、数値で言うと14デシベル程度抑えられています。航海甲板の操舵室での騒音は、90%程度となり、数値で言うと8デシベル程度抑えられております。この結果は高性能のサイレンサー使用の影響もありますが、みやじま丸が、主機や長い軸がなく、一定回転数の発電機であるために、防振対策が行いやすいため、振動による騒音が抑えられたことも一因です。


各機関の運行原理

上甲板下 発電機2機を右舷に配置


機関室 機関室 配電盤室

 騒音源となる発電機は、ヒールバランスの関係から3基のうち2基を右舷に配置しました。残りは左舷に配置しています。
 大部分のポンプを右舷のポンプ室内に設け、配電盤は左舷に配置しました。


水線面下 360゜回転のプロペラ



 船首尾の双胴間に推進機室を設けています。
 装備しているショッテル社製STP330は3翼のプロペラを前後に装備して360°旋回します。
 そのことにより、自由な操船を可能となりました。

車両甲板 余裕の高さ2.7m



車両甲板 客室入口

 右舷に車両区域を設け、乗用車7台が搭載可能です。上甲板のクリアーハイトは、救急車が搭載可能な高さ、2.7mとしています。
 ランプドアは、軽量化の一環で、アルミ製としており、乗船する正面には幅が広く傾斜のゆるい遊歩甲板への階段を配置いたしました。


バリアフリーの船内 空間の調和を重視


バリアフリー室
 左舷中央には、大きな窓と広い空間を有した、バリアフリー室を配置しました。
 椅子席34席、車椅子スペース8台となっています。
 基本的に天井、壁はアイボリー系とし、威圧感をなくしております。また、アクセントに、ぬくもりのある明るい木目と、中間色のグリーンを導入しました。部屋の四隅それぞれに、宮島の四季の写真パネルを配置し、中央ソファーの装飾壁は、宮島の風景画を配置しています。レイアウトは、シンメトリーで安定感を感じさせ、落ち着きのあるなごやいだインテリアとしています。




一般客室 列車並に前後転換可能ないす





 宮島の大鳥居を望むのに邪魔にならないように、右舷に航海甲板への階段を配置しています。船首・船尾の壁を木目柄、乗船口の袖壁は、ブルー系の色づかいで変化を与えました。
 中央部には、周囲に大きな窓を有した、椅子席88席の旅客室を配置しています。
 いすは家族連れのお客様などに配慮して、電車と同じように前後転換ができるようにしました。バリアフリー室同様、天井・壁をアイボリー系として、明るく威圧感を感じさせないようにしました。単調な椅子のレイアウトとなってしまったため、天井は円形装飾を取り入れて柔らかさを演出し、ミラーを配して空間としての広がりを感じられるようにしています。


遊歩甲板 中央部に背もたれの腰掛け

 船首尾にそれぞれ操舵室を設けています。
 操舵室と操舵室の間には、椅子席40席を配置しています。
 中央部は、もたれるような腰掛を設け、遊び心を演出しています。







羅針儀甲板 ヒール調整も兼ね備えた設備
 救命浮器を左舷に寄せることによりヒールの調整をしています。